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最高裁判所第一小法廷 昭和52年(す)27号 決定

申立人(最高検察庁検察官)

臼井滋夫

被告人鄭一鶴に対する所得税法違反被告事件(当庁昭和五一年(あ)第二一一七号)について、昭和五二年二月一日当裁判所のした上告棄却の決定に対し、申立人から適法な異議の申立があつたので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

原決定を取消す。

被告人に対する本件公訴を棄却する。

理由

検察官の本件異議申立の理由は、被告人は、昭和五二年一月二四日死亡しているから、本件公訴を棄却しなければならない、というものである。

よつて、調査するに、被告人が昭和五二年一月二四日死亡したことは、被告人に対する昭和五二年二月四日付東京都板橋区長加部明三郎の登録済証明書によつて明らかであるから、刑訴法四一四条、三三九条一項四号により被告人に対する本件公訴を棄却すべきものとし、同法四一四条、三八六条二項、三八五条二項、四二八条二項三項、四二六条二項により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岸上康夫 裁判官 下田武三 裁判官 岸盛一 裁判官 団藤重光)

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